フットサルの練習中シュートした際に膝を伸ばしきって負傷しました。
2週間後練習を再開しましたが、その初日にボールを蹴って再び痛みが走ったため来院されました。
初診
歩く時の痛みと膝関節全体の腫れがあり、曲げ伸ばしも完全にはできない状態でした。
症状と所見から半月板損傷が疑われたため、画像診断(MRIなど)が必要と判断し整形外科へ紹介しました。
1週間後
MRI検査の結果、外側半月板損傷と診断されました。
医師からは、まずはリハビリをして経過をみて、痛みが取れずにスポーツ復帰ができなければ手術が必要とのことでした。
損傷の程度から即手術ではなく、リハビリで復帰できる可能性があったことは幸いでした。
2週間後
復帰に向けてリハビリ開始です( ̄▢ ̄)/
まだ関節の腫れや痛みもあったので、足を地面につけない状態(関節に負荷をかけない状態)で太ももやおしりの筋力強化です。
治療は、関節周囲の筋肉が硬くなることで発生する、二次的な痛みを緩和させるための軽めのマッサージです。
3週間後
歩く時の痛みはほぼ消えましたが、関節の腫れはまだ残っています。
曲げ伸ばしもかなりできるようになっており、体重をかけなければ曲げるのは最後まで可能になりました。
しかし膝を伸ばしきるのは、半月板の損傷部をはさみ込むような形になるので、やはりまだ少し痛みます。
リハビリは足を床についてのおしりや太ももの筋力強化開始です。また踏み込み時に膝が内側に入ってしまうので、そういった動きの修正もおこなっていきます。
4週間後
膝を伸ばしきった際に違和感がでますが、痛みはもうありません。
リハビリはジャンプ開始です!
太ももへのより高い負荷と股関節、膝関節、足関節の連動性を高めます。
また軽いステップ系のメニューやグランドでのジョグも開始です!
思ったよりも痛みが出ず経過良好なため、リハビリも予定より早めに進んでいます♪
5週間後
膝の痛みや腫れもなく順調にリハビリ進んでいます。
リハビリはここからアスレティックリハビリテーションへと移行していきます。
アスレティックリハビリテーションとは、スポーツ復帰へ向け競技の特性を踏まえて、必要な動きを獲得していくためにおこなうリハビリです。
日常生活レベルであれば、ここまでのリハビリは必要ありませんが、ケガ前のパフォーマンスを取り戻し、スポーツ復帰後の再発を防ぐには必須です!
リハビリは、競技中の体勢に近い状態での筋力強化や複合的なジャンプ、ステップ動作をおこないます。
グランドではダッシュやキックなどの強度を日々上げながら、対人以外メニューまでは全て参加していきました。
6週間後
ゲーム以外の全ての練習メニューへ参加できました。
膝の状態は良好ですが、運動後に周囲の筋肉や腱が硬くなり違和感がでるので、マッサージやストレッチなどのケアをおこないます。
リハビリはゲームへの復帰に向けての最終段階です。
トレーニングに近い負荷の高いメニューでケガ前以上のパフォーマンスを発揮できるよう体幹から下半身全体を鍛えていきます。
8週間後
ゲームへの出場も無事果たし、完全復帰できました(^O^)/
痛みもなくパフォーマンスも十分発揮できています!
この段階でリハビリは終了しました。
本人からパフォーマンスアップのためにトレーニングを継続したいとの希望があったため、その後は週1~2回の頻度でトレーニングを開始しました!
ケガをきっかけにトレーニングの必要性を理解して、積極的に取り入れてくれるようになるのは非常に嬉しいことです(*^^*)
復帰後
その後復帰してから2回ほど膝をひねって立ち上がった際に、膝の痛みと腫れが出ました。
いずれも長期の離脱にはならず、負傷から5か月経った現在もプレイはしっかりできています。
しかし半月板のキズ自体が元通りになったわけではないため、今後も何かのきっかけで痛みや腫れがでる可能性があることは、選手にも理解してもらいながらプレイしてもらっています。
特に練習量が多くなって疲れがたまっている時などは要注意なので、現在も定期的にコンディショニングをおこないながらフォローしています。
今回は手術をせずに復帰できた膝の半月板損傷の一例を紹介いたしました。
手術をしなければ難しい半月板損傷も多くありますが、このようにリハビリで競技復帰できるものも十分あります。
半月板損傷は医師の判断が必要なケガですので、当院では病院としっかり連携をとりながら、最善の方法で治していけるよう取り組んでおります。