右肘 肘頭疲労骨折 14歳男性 野球
主訴:右肘の痛み
2週間前からボールを投げる時に右肘に痛みが出るようになり、まだボール投げられる状態ではあるが、徐々に痛みが増しているため来院。
状態:右肘周囲の筋肉に筋緊張があり、肘の曲げ伸ばし共に可動域制限あり。肩甲骨周囲の筋肉に筋力低下があるため、肩関節の可動域が悪い状態。
初診
来院初日より右肘周囲の筋緊張緩和、肩関節の可動域改善のための徒手療法、肩甲骨の安定性向上を目的とした筋力強化のトレーニングを開始。
1週間後 本日10mほどの距離で投球した際、右肘内側に痛みが出たため、平日は投げずに週末の試合のみ投げるよう投球制限を開始。
肩、肘への徒手療法、トレーニングは継続。
2週間後
週末10m以下で投球したが、肘の痛みは変わらずあるため、引き続き平日の投球制限を実施。
3週間後
徐々に投球時の痛みは軽減するも、完全に消失しないため医療機関での精査が必要と判断し、整形外科へ紹介。
4週間後
レントゲン撮影の結果、肘頭疲労骨折と診断。骨が癒合するまでスイング、投球ともに中止。
本日より骨の癒合を促す効果のある超音波治療を開始。同時に肘にかかる負担を軽減する為にフォームの改善をトレーニングに追加。1か月後に再度レントゲン撮影。
8週間後
レントゲン撮影の結果、骨は癒合しており経過は良好。ドクターより遠投以外の野球のプレーは許可。
復帰に向けて投球数、距離を徐々に上げていく投球プログラムを使用開始。
※塁間2/3 30球からスタート
12週間後
ピッチングと遠投はまだフォームが修正しきれていないことと、肘への負担を考慮して禁止。
投球時の痛みはなく、キャッチャーでの試合出場中。
夏の大会ではピッチャーでの出場を予定しているため、それに向けての再発防止、パフォーマンス向上のためトレーニングを継続中。
肘頭疲労骨折には色々な原因がありますが、今回の症例では投球時に肘が上がりきらずに、肩を使わず肘だけを使うようなフォームで投球を続けたのが原因だと思われます。上手く体を使って投げるフォームになれば、肘の痛みもなくなってくるので、早い段階でのフォーム改善が重要になってきます。
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