少年野球肘と野球肩

リトルリーガーズショルダー
成長期の身体は完全に骨が出来上がっておらず、骨の端の部分が軟骨成分で出来ています。

この軟骨(成長軟骨)で出来ているところを骨端線と呼びます。

投球時の肩への牽引力や回旋力によって骨端線部にズレや離開が生じるものを、リトルリーガーズショルダーと呼びます。

〈症状〉

骨端線部を押したときの痛み

投球時や肩をひねった時の痛み(日常生活程度での痛みはあまりみられない)


リトルリーガーズエルボー

 内側型:肘の内側の筋肉や靭帯に引っ張られ軟骨部分が離れたり、剥離する

 外側型:肘の外側に圧迫力が加わり、軟骨が損傷される

 

症状〉

 ・肘の内側や外側を押さえたときの痛み

 ・反対の肘とくらべて曲げ伸ばしの角度が低下

 

確定診断にはレントゲン撮影が必要なため、スポーツ整形をご紹介させて頂きます。

診断後もドクターと連携を取りながら復帰までの経過をみていきます。

 

 

治療〉

まずは患部の安静をはかるため、投球を中止します。

その間に再発を防ぐためのフォームの獲得が、非常に大切です。

肩肘に負担の少ないフォームを獲得するための肩、背中、股関節の可動域を拡げるコンディショニングや筋力強化、動作改善のためのリハビリを積極的におこないます。

 

 

 

 

肘の外側の障害は『離断性骨軟骨炎』と言い、悪化すると手術をしなければ投球を継続できない状態になるので、早期発見と適切な対応が必要です。

長期の肩や肘の障害(特に11~15歳)は、基本的に一度なってしまうとしばらく投球を中止するしかありません。そのためなってしまう前の予防や、治ったあとの再発防止が非常に重要です!

 

投球での肩や肘への負担を軽減するためには、肩や肘に負担のかからない投球フォームの習得と、それを実現するための身体の柔軟性や筋力の獲得が必要です。

 

上記のような肩や肘の投球障害になってしまった場合は、投げられない間ただ待つだけではなく、その原因を取り除き再発を防止するための治療やリハビリ、トレーニングをおこなうことが大切です。

投球時のチェックポイント

〈ワインドアップ期〉

まっすぐ立てているか

 

下の写真:軸足側に倒れている。

 

 

 

後側に倒れている。


〈コッキング初期〉
・重心を軸足にのせて前方に体重移動できているか
・テイクバックが肩甲骨平面上で行われているか
・肘の屈曲角度は十分か

〈コッキング後期〉
・フットプラント時の踏み出し足
・非投球側の肩峰があごの下にあるか
・体は開いていないか
・ハイパーアングレーションはおきていないか

〈加速期〉
ゼロポジションになっているか(図5)
両肩の通過位置は近似しているか
非投球側の肩甲骨は内転しているか

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コメント: 1
  • #1

    ATHLETE HOUSE (木曜日, 23 7月 2015 22:07)

    ケガや治療、リハビリなどについてご質問があれば、お気軽にコメントして下さい!
    少しお時間いただきますが、お返事させていただきます